第20回 2007年9月登山(燕岳、大天井岳、槍ヶ岳)
登山口
燕岳
大天井岳
槍ヶ岳
<体験記>
今回は山の会20回記念登山で、昨年、槍ヶ岳を目の前にして登頂を諦めたリベンジでした。結果は前日(22日)の午後は曇りとガスになってしまい、まただめかもしれないと予想していたが、槍の頂上から常念岳、蝶ケ岳、八ヶ岳、穂高連峰をすぐ目の前に見え360度の最高の大眺望となりました。これは一生の思い出になりそうです。
出発から振り返ると、中房温泉から登頂開始。空は青空で今日の燕岳は間違いなく絶景が見れると確信しました。このコースは登山口から第一、第二、第三ベンチ、そして富士見ベンチ、合戦小屋と休憩ポイントがあるように、非常に急な坂(北アルプス三大急登)が続きます。
ちょうど筋肉に乳酸がたまって休憩を欲しがっているところに設置されてます。第一ベンチでは水場があり、ミネラルのたっぷり入った美味しい水を飲め元気になります。
富士見ベンチに到着すると、先に休憩していた人があれが富士山だよと教えてくれ、遥か彼方の雲の上に富士山が見え、全員感動します。
合戦小屋に息を切らしながら到着し、すでに西瓜販売の時期は終わり、私はグレープフルーツを、キッシーはみかんを食べ、これほどジュシーな甘い水をたっぷり含んだ果物はないと思いバクついてしまいます。
合戦小屋を過ぎると森林限界に近づき展望が徐々に開けてきます。ところどころで槍ケ岳が見えると皆の歓声が聞こえます。空は全く雲のない青空で、このままの状態で3日目の槍ケ岳登頂を願いさらに高度を上げていきます。
燕山荘がすぐそこに見え最後の急な坂を登りきるとやっと初日の宿に到着です。
宿にザックを置き身軽な状態で燕岳に向かいます。イルカ岩に再会し、きれいな山肌をもつ頂上には20分程で到着です。頂上には1人しかいなく、上空は真っ青な快晴、360度の大パノラマ展望、温度は半そででも気持ちいよい陽気で、4畳半の天国にいるようでした。
ウッチーは思わず昼寝をしてしまったくらいです。ここでも明日の槍も同様な展望が可能であると確信したと思います。
燕山荘の夕食で宿から振る舞い酒を飲ましてくれ、山にいるとは思えないような美味しい料理を食べ、オーナの4mのホルンを聴き、その後にためになるお話を聞き初日が終わりました。
2日目は5時出発で満点の星空を見ながらの行動開始です。山荘を出てすぐに雷鳥が今日、明日の幸運を祈るかのごとく我々に姿を見せてくれました。
途中、5時30分頃に雲海から浮かび上がる真っ赤なご来光を見ながら今日一日の楽しい山行を祈りました。反対側は朝日に赤く輝き始めた槍ケ岳が早く登って来いと呼んでいるようです。
この縦走コースは槍ケ岳を中心にした北アルプス連邦を右手に見ながら進むことができ、見るたびに景観が変わります。燕山荘のオーナが言うとおり同じ景色は2つとないとはこのことでしょう。
どの方角から見ても山の雄大さと迫力が迫ってきます。ふと地面に視線を移すと今年もすでに枯れてしまったと思われていたコマクサがまだ花をつけていて山の中で育つコマクサのたくましさを見ることができます。
2日目の天候も恵まれ雲はあるものの暖かく太陽もほとんど顔をだしぱなしで、槍ケ岳、穂高岳、八ヶ岳、常念岳を見ながらの稜線を散歩する感じです。しかし大天井が近づくに連れて、その散歩もアップダウンの繰り返しとなり、みんなの疲れが見えてきています。
それでも頑張って2つ目の山頂である2922mの大天井岳の到着です。ここもパノラマ展望で目の前に槍ケ岳、穂高岳、常念岳がそびえて見えます。頂上ではしばらく至福の感動を味わっていたいほどでした。
縦走路では幅20cmぐらいの片側絶壁の道や、梯子を登ったり、クサリのサポートで歩いたり、非常に変化の多い、また危険な場所も多い長い道のりで、当初、ほとんどアップダウンがないが行程の長い稜線歩きと思っていたので、非常にきつい登山となりました。
歩けど歩けど近くに見える槍ヶ岳が近づかないという感じです。それでも最後の力を振り絞り、特にヒガちゃんはふらふらになりながら、無事2日目の宿であるヒュッテ大槍に到着しました。
この宿は行ってってみたい山小屋の上位に入っているだけあって、夕食はとても美味しく寝具も綺麗です。そのためか半分以上は女性客です。
3日目は念願の槍ケ岳登頂を目指して4時30分出発です。宿をでると満点の星と明けの明星(金星)が見れ、たぶん展望は大丈夫だろうと期待します。
槍ケ岳山荘に到着したのが5時35分でそのときには、槍に雲はなく、日の出時間前でも多数の人が岩にしがみついているのが見えます。
これならば大丈夫との判断でザックをここに置き、いざ登頂開始です。登り始めると、まもなく有名なクサリ登り、そして垂直な梯子登りとなり、怖いというより登山を満喫できる楽しいものでした。
途中、少し混んでいたので、ゆっくり登ることができ頂上に着くとちょうどご来光になり、前回のリベンジにふさわしい大展望となりました。
10畳ぐらいの山頂には思ったほどごった返していなく、360度の眺めを自分の目とデジカメに焼きつることができました。下を見ると当然、崖であり吸い込まれる感じがします。
周りの山は各々山肌に輝き、それぞれの高さを競いあっているように連なっています。ここに立っていると次はあの山を制覇してやると欲望がわいてきます。
槍を降りて30分と立たないうちにガスで全く見えなくなり我々は非常に幸運であったと思いました。
目標を果たし感動を後にして、下山となります。この下山道は急な坂が3時間程続き、その後は比較的平坦な道がいやになるほど延々と続きます。バスの出発時間を気にしながらの早歩きし、結構疲れました。
今回の特徴は言うまでもなく、3つの山頂(燕岳、大天井岳、槍ケ岳)での大展望が見れてすばらしい感動を味わえたこと、燕山荘のオーナのためになる話が聞けたこと、山小屋の美味しい夕食、この時期でも雷鳥とコマクサが見れたこと、表銀座通りの素晴らしく言葉に言い尽くしがたい大展望を眺められたことです。
前回、膝と靴を傷めたが今年はふらふらになりながらビールで元気をつけ何とか全て登頂し来年の穂高登頂を決意したヒガちゃん、山の感動と食欲を十分に満たしたウッチー、スロースタータながら長い足を生かした軽快な歩行をしていたが、最終日に膝を痛めサポータに助けられたキッシー、30年ぶりの槍ケ岳登山を思い出し頂上で涙したグッチさん、全く疲れを知らない余裕の登りで随所で山の知識を披露してくれ、槍ケ岳登頂と言う最高の誕生日プレゼントを山の会からいただいたジェット、 いつものごとく冷静な判断と安全なコースを導いてくれた隊長、そして私の7人の登山隊でした。